これまで重説※1は対面で行う必要があったが、10月1日から対面でなくても可能となった。対面でなくても良くなったからと言って、顧客に重要事項説明書を郵送して、記名・捺印を貰えば良くなったのでなく、これまで通り説明は必要であるが、賃貸借に限りITを活用することにより直接対面をしない説明でもOKになった。この手法の説明を「IT重説」と言う。
このことは、不動産を借りる顧客が遠隔地の場合に恩恵を受ける。つまり、これまでの重説は対面が前提であったので、重説を受けるために遠隔地から不動産業者の店舗に出向かなければならなかったが、IT重説が可能となり自宅のパソコン等を利用して説明を受けることが可能になるからである。
ただ建前では、これまで対面説明が前提であったので、そのため顧客は遠隔地であろうと業者店舗に出向いていることになるが、実態はそうでもない。遠隔地の顧客の中には、重説のためだけに遠隔地から業者店舗に出向くことを嫌がるケースも多く、その場合は重要事項説明書を郵送して記名・捺印を貰っているのが実態である。つまり、対面が困難な顧客だからと言って破談にしたくないので、法に抵触した行為を選んでいる。
めったにいないものの顧客の中には業者に支払う報酬を徹底して値切ろうとしている人がいるので、そう言う人に重説を郵送してしまったら、契約を締結し報酬を支払う段階で業者が違法なことをしたとして、当初決めていた報酬額を払おうとしない。
IT重説は、遠隔地の顧客に対し負担を軽減する効果もあるが、不動産業者に対し違法な行為を抑制させる効果も大きいと思う。
なお、IT重説の詳細については、コチラを参照されたし。
不動産業者(正確には「宅地建物取引業者」)が不動産取引(正確には「宅地建物取引」)を行う場合、その不動産を受ける顧客(e.g. 購入側、借りる側)に対し、契約前に重要な事項を書面で説明しなければならない。この書面を「重要事項説明書」と言い、説明を「重要事項説明」、略して「重説」と言う。