私はサッカーファンでないので、日頃Jリーグの試合をテレビで見ることがない。ただ、国際試合になると別で、急遽にわかサッカーファンになる。そんな私であるが、今回のアジアカップに於いて、選手のプレイ内容及び試合後のインタビューを視聴して気になった点がある。
個人攻撃をしたくないが日本サッカー界のために敢えて苦言を呈すべきであり、また新たな発見に対し私の胸の内だけに留めておくことは礼儀に反するのではとの思いから、今回投稿するに至った。
キャプテン吉田選手への苦言
一昨日の決勝戦を見ていて、にわかファンには腑に落ちないことがあった。それは、吉田選手に対するハンドの判定である。
この時の行為に対しVARになり、審議中に解説者(松木安太郎)は「故意かどうか」と強調していた。体を寄せ競い合っていたカタール選手のヘッディング直後のボールがたまたま吉田選手の腕に当たっただけであり、しかもその瞬間の吉田選手は瞳を閉じており、松木氏の発言を信じた私はハンドにならないと思った。しかし、VARによる判定はハンド(+イエローカード)となったにも関わらす、松木氏を始め誰も「なんだ、この判定は!!!」と怒ってないことが不可解であった。
そこで、ハンドについてちょっと調べてみたところ、サッカー競技規則では「手または腕を用いて意図的にボールに触れる行為」となっているものの、この「意図的」とは日常の状況で使っているものとは違うようだ。結論を言うと、審判は腕が身体から離れていると『競技規約の意図的』と見なし、ハンドを取る傾向があるようである。
このようなことは解説者の松木氏は当然知っているだろうに、「故意かどうか」と力説し視聴者に大いに期待を持たせないで、素人にも分かるように「あちゃ、腕が体から離れているなぁ~。こりゃダメだ! 吉田、なんでマサイ族のジャンプをしないんだ!」くらい言ってよと思った。
松木氏は今回のハンドの判定に対し何もコメントしていなかったが、吉田選手はキャプテンであり、これからの日本代表を引っ張って行かなければならない立場であることを考えると、何らかの苦言を呈すべきでなかったのか?このような日本サッカー界の甘い環境に危機感を抱いた私は、日本代表選手・ヴェルディ監督と輝かしい経歴を持つ松木氏に代わり、吉田選手に期待を込め敢えて苦言を呈したい。
『英国へ直帰せずに、ケニアで修行してから帰りなさい』と。
なお、前回のワールドカップで、香川選手のシュートを腕で防いたコロンビア選手が一発退場になったように、一般的な感覚の意図的な場合は、PK+レッドカードになるようである。
にわかサッカーファンの私であるが、今回ハンドの知識を得て少しサッカー通になった気分だ。
また、今回のハンドに限った事でなく、ハンド全般について次のことも感じた。
腕と身体の位置関係だけでハンドか否かを判断しているとなると、白熱した面白い試合であっても、動きの中で、たまたま腕にボールが当たり、試合観戦を楽しみたい人にとって全く価値のない出来事だけで勝敗が決まることも十分有り得る。選手だけでなく観戦者も後味が悪く、サッカー観戦の面白さが半減されると思う。
VARによりマラドーナの「神の手」のような誤審を防げるが、この判断基準でVAR導入が拡大していくと、後味が悪い試合も増えて行くのだろう。
森保監督に対する発見
今回のアジアカップの日本戦を見ていて、試合後に森保監督がインタビューに登場する度に、誰かに似ていると感じていた。感じ始めた頃は、似ている人物を思いだせなかったが、ついに決勝戦のインタビューでその人物を思い出し数日間のモヤモヤ感が消えた。
その人物とは、このお方である!
このお方は、私のような凡人が決してお目にかかることができない、天下の東京大学教授であらせられる古澤明 大先生である。
今、世界中の研究機関等でしのぎを削っている量子コンピューターを開発※1していることから、過去に本人の写真を見たことがあり、無意識の内に森保監督の顔と重なっていたようだ。
合成写真だと紛らわしいので、手を加えていない各々の写真も載せておく。
森保監督 | |
古澤教授 | |
私が古澤明教授が開発している量子コンピューターを知ったのは、1年以上前のことで、日本独自の技術で光量子コンピューターを開発したと言うテレビニュースであった。当時のニュースで大々的に何度も放送していた印象を持つが、ニュース解説を聞いても仕組みがピンとこなかった。
素人の私からすれば、仕組みが理解できなくても、量子ビット数が幾つで、汎用機か否かに関心があった。しかし、解説を聞いていても、汎用機か専用機かを述べることはなく、また「量子ビット」と言う言葉が一切でてこなかった。その一方で「量子ビット」の代わりに聞きなれない「パルス」がやたら出てきて、量子ビットとパルスの関係が分からなく、もしかしてパルスが量子ビットを意味するのだろうかと思いながら、当時ニュースを聞いていた。
光量子コンピューターに於ける回路の大雑把な仕組みは次のとおりで、紫文字で示す量子の特性を活用している。
まず、ここでのパルスとは短時間だけ光る光パルスのことで、光パルスの振幅の値等を使って情報(例えば、数字の「5」)を表現させている。光子を利用して「0」と「1」を表現させるのでなく、光パルスを利用して数値を表現させているので、量子ビットとは別物と私は理解した(1つのパルスが複数の量子ビットの働きを持つとの理解で良いのか?)。
この初期値となる光パルス(数字の「5」)と、特殊な機能を持たせたパルス(演算機能を持たせたパルスのことで、例えば「+3」)を量子もつれ(量子の絡み合い、エンタングルメント)状態にさせると、この二つのパルスの値がランダム値になってしまうが、2つのパルスがもつれの状態にあるため、「二つのパルスを足すと8になる」ルールができている。そこで、初期値だったパルスを測定し、その値を他方のパルスに足してやると他方のパルスの値が計算結果(「8」)となる。
また、初期値のパルスは、複数の値を持たせた状態の重ね合わせ(状態の共存)にすることができ、この状態で回路を用いると、量子テレボーテーションにより、重ね合わせたまま計算ができるようになる。
更に、さまざまな種類の計算を膨大に処理できる実用的な量子コンピューターにするには上記の回路を無数に必要になるところであるが、上記の回路をループ状にし、ここに光パルスを連続して送り込み、1つの回路で全ての計算が行えるようになる。もう少し詳しく述べると、まず1つの初期値のパルスと演算機能を持たせた複数のパルスを連続して外側ループに送り込み、外側ループを周回させる。次に初期値のパルスを内側ループに入れ、後に続く1つの演算機能を持つパルスと鉢合うようにすることにより、この2つのパルスを量子のもつれ状態にして計算結果を導き出し、以後同様にその計算結果と更に後に続く演算機能を持たせたパルスをもつれさせて、次々と計算して行く仕組みである。これにより、膨大な処理能力を持つ量子コンピューターが最小規模の光回路を用いて実現可能となるが、まだ理論上の話であり、加えて量子コンピューター開発者の共通課題である「量子誤り訂正」の問題もあり、実用的な光量子コンピューターが完成するのは、まだまだ先のことである(短くみても10年以上先のようだ)。
なお、この光量子コンピューターは汎用をターゲットにしている。ちなみに、D-Wave-Systemsが2011年に量子コンピューターの開発・商用化し成功し、その後ロッキード・マーチンが単独で、NASAとGoogleが共同で購入し話題にもなったが、このコンピューター(量子アニーリングマシン)は「組み合わせ最適化問題」に特化した専用機である。